Loading...

穂田 芳雄

-Yoshio Hoda-

NPO法人おだわらイノシカネットついて


 グループとして捕獲するようになったのはここ数年のことで、もともとは個人で獣害対策にあたっていたけれども、やはり個人で出来る範囲は限られていて、どうしたものかと思っていたところに、たまたま現在の中心メンバーとの出逢いがあり、みんなでまとまってやっていこうというのがきっかけで設立しました。


小田原の獣害被害はここ数年で急激に増加している


 10年前にはほとんどいなかったシカたちが小田原の山々に入り込んできています。通年で捕獲活動をしていまして、今年度(令和2年)でも既に100頭を超えるイノシカが捕獲されています。比重はほとんどがシカですが、特に我々は林道の奥で人の手のはいっていない山林の保護をメインに罠を仕掛けている結果です。

人手不足は大きな課題


 イノシカネットに加入しているメンバーは30名ほど居ますが、実際に罠を仕掛けて捕獲してということが一人で行える自立したハンターは8名です。小田原の山はとても広大で罠も仕掛けたら必ず捕まえられるということはなく、出来るだけ多くの罠を仕掛けていくことが必要になってきますが、その設置場所も闇雲におくだけでは意味がないので、豊富な知識や経験が求められるので、所属が30名いるといっても、実際は人手が圧倒的に足りていません。

課題解決に向けた動き


 今年度の企画で「くくり罠塾」という一般の方々を対象に、座学の講習会や、自作の罠製作を指導し、実際に山に入って罠を仕掛け、捕獲できたら解体まで体験するというプログラムを実施しています。イノシカの捕獲作業は免許制度があるので、「くくり罠塾」を通して免許取得に向けた別途講習会も設けて新しい人材、それも単身独立してどんどん捕獲できる人材の育成には特に力を入れています。我々の活動に同行するだけの「塾」では捕獲できて当たり前ですから(笑)なんでもひとりで出来るようになることが大切です。

次代に寄せる想い


 「くくり罠塾」に加えて、最近ではTABICA(体験シェアサービス)を介して20~30代の若年層、それも意外だったのが女性が興味を持って我々の活動に参加してくれています。「狩猟=非日常的な体験」というのをとても魅力的に感じてくれているようで、こちらも驚きの反響をいただいています。「とめさし」や「解体」などデリケートな面もあるので、とにかく体験してもらうのが一番で、我々としても様々な企画を考え、広く門戸を開けています。多くの方々に豊かな自然が直面している問題を知ってもらうところから接していきたいと思っています。