秋澤 史隆
- Fumitaka Akisawa -
人物近影
人物紹介
身近な問題に真剣に取り組む
自身が農家として生活している土地で、徐々に竹林の侵入が目立ってきてしまっていて、代々続くものを何とか守っていきたいという思いから、竹のことを考えるようになりました。竹はもともと建築材料として使ってもらってる例はあったのですが、まだまだいっぱいあるし、もっともっと何かに繋げていけないかと模索しています。「しゃもじ」や「定規」など、現在ではプラスチック製品でも一昔前は竹製品が主流だったときの環境にちょっとでも戻していければ、暮らしも豊かになるし、山々もきれいになる。そういう循環にしていきたいと思っています。
仲間が増えると夢も増える
農家として街中のイベントに参加するなかで、たくさんの人たちと交流を持つことが出来て、おだわら環境志民ネットワークを知ったのも、そういった中で出来た縁のひとつでした。「竹を活用したい」という課題をもった自分に協力してくれる人が現れ、そこからさらに新しい人を紹介してくれて輪が広がって、そうして「海漬け」が実現していきました。とても丈夫で、比較的加工がしやすい竹は、アイデア次第で使い道があって、あとはどれだけ周知されるか、地域循環の中にいかに組み込んでいけるかというところだと思います。今後はワークショップ形式で多くの人に興味関心をもってもらったり、アイデアを募集して実際に作ってみたりということをしていきたくて、一緒に考えてくれている仲間とは朝5時半からオンライン会議するほど、「ああしたらいいんじゃないか」「こうしたらどうだろうか」と挑戦が増えています。
ただ、「やっかいもの」を退治するのではない
僕にとって竹はどんどん「生えてきてくれる」ものなので、再資源化に向けた出口戦略があれば、放置されることなく、建築資材でも消費資材でも、竹は循環していきます。プラスチック製品がリサイクルで回っていくのもいいですが、それよりは竹製品で土に返っていく、というほうが魅力的だと思うのです。製品として竹そのものが目に見える形で、時代にあったデザインにして活用していきたいと思います。
たくさんの人が気づけば、もっと楽しくなる
小田原は自然が豊富で、資源もある反面で、未来に対する不安感から様々な問題を抱えてもいて、そこに、おだわら環境志民ネットワークに加盟している人たちをはじめとして、様々な人、団体が、環境保護だとか、市街の景観だとか、生活のなかのリズムに対してすばらしい活動を行っています。これをもっと自分たちも知るべきだし、もっと知らせていくことが、必要だと思います。日ごろの生活のなかで「現実の問題」に関わりを持って、広い視野・知見を広げることでより豊かなものを目指していきたいし、大人だけでなく、その真剣に取り組んでいる大人の背中を、これからの子どもたちへ見せることで、いい影響が与えられると思います。