西島 摩瑳顕
- Masaaki Nishijima -
人物近影
人物紹介
小田原市環境ボランティア協会について
平成8年に「小田原市環境ボランティア登録制度」により設立された団体です。そこそこ長く活動してきていますが、行政と協働で作られた団体なので、市長が変わったタイミングで解散する話も持ち上がったこともあります。しかし仲間としっかり話し合い、まちを綺麗にしたいという気持ちを繋ぎながら今日に至っています。それでも設立当時は80名ほどの仲間が、地域清掃、蛍やメダカなど生き物の保全、身近な環境の実態調査研究などいくつかの部会に分かれて活動していますが、メンバーは半分以下になり高齢化という問題も悩みどころです。それぞれの活動も個々に任せています。
私個人は小田原駅前から、東通り、錦通り、お堀端通りなど、毎日毎朝ごみ拾いを行い、街中に落ちているごみを少しでも抑えたいという想いで続けています。1日も休むことなく続けていてもごみの量はなかなか減ってくれません。酒匂川河川敷の草むしりなども行っていますが、それはそれで自然相手なのできれいに刈ったと思ってもまた1週間もすれば雑草が茂ってしまいます。かといってそこでやめてしまえば他の誰かが気が付いて行動してくれるまで環境は良くならないし、もしくは悪化してしまう。それはやはり気持ちの良いことではないので続けています。他のメンバーたちも似たような気持ちで頑張ってくれています。
最初は網戸
環境に違和感を覚えたのはかれこれ50年近く前まで遡りますが、自宅の網戸を掃除した時のことです。網戸をタライに漬けて洗ったあとの水がものすごく黒くなりました。なぜ黒くなるのか、その水を顕微鏡で見たところ細かいごみがたくさん観察できました。それがキッカケとなり、その汚れた空気の中で生活しているのだと環境を気にするようになりました。以来、近所の人たちとの話題にしながらやはり自分の家だけではなく地域の環境が良くないということを意識しました。そこから花壇や垣根など、緑を増やす呼びかけをしたり、若い子たちが煙草をポイ捨てするのを見てはその子の目の前で掃除してみたり、ガードレールの落書きはこれまでに18,000個以上消しました。美化活動を行っていると「ありがとう」と感謝の言葉をかけてくださる方もいます。自分のできる小さなことだけでも日々積み重ねれば環境がガラッとは変わらないにしても、自分の行動を目にした人がちょっと意識してくれることで地元小田原が住みよいまちになっていくと思います。
美しい自然環境に囲まれながら
美化清掃はごみをなくしてまちを綺麗にするだけでなく、地域の犯罪発生率などの低下にも効果があり、また綺麗な街並みによって精神的に安定し「オレオレ詐欺」等の被害が減ったとも思っています。小田原市環境ボランティア協会はメンバーこそ少なくなっていますが、市内の大きなイベント開催に合わせて行う「街中クリーン作戦」では一般市民の方々や企業・学校など多くのひとたちに協力していただきながら毎回たくさんのごみ拾いができています。ごみ拾いは何の技術もいらない、一番簡単な行動です。街中のごみをゼロにすることは難しいですが、これからも自分の住むまちが綺麗で、訪れた人も気持ちよく過ごせるような環境づくりに取り組んでいきたいと思っています。