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辻村 百樹

-Momoki Tsujimura-

 平成28年に、環境問題に携わっている団体とか個人とかを繋げる組織ができないか、という思いで設立されたのが、おだわら環境志民ネットワークです。ただ、実働で動かれてる方々が組織を作って、纏め上げていくというのは本当に大変なことですし、皆さんいろいろな考え方で活動されているのを繋げるのは難しいということで、組織化を先に進めました。当時、まずは組織をキチンと作ろうということで、一市民活動家ではない人たちが会長・副会長に入り、活動されてる方々には理事として加わっていただきました。


会長就任にあたって


 私個人も、もともと草の根的に環境活動をしていたというわけではなく、どちらかというと自分の生業が、農林・山林だったりエネルギーだったり、トータルで環境のことを網羅しているのが普段の仕事であり、また、歴史的にも、藩有林時代からの山を扱っており、小田原という地元に根ざしているということで、お話をいただいたのがキッカケでした。とはいえ、小田原には環境問題に携わっている方が多いのはもちろん知っていましたし、私どもの山にも鳥獣の話や木々の問題などさまざまな人との交流があり、環境に対する認識はしていました。

設立から見えてきたもの


 ネットワークの大きな目的の1つとして、それぞれが経済的に回していくというものがあります。環境に携わる活動というのは、目的が皆さん同じではないし、活動も千差万別。なかなかお互いに見えてこないのは致し方ないのかなという思いはありつつも、自分たちの力だけで回らなくなるとか、良かれと思ってやってることが金銭的なバックアップがないので思うように活動できない、とならないように、活動を支援するプラス、自分たちの活動でお金を生み出していくというものです。経済的に成り立つには、課題が多くあります。活動によって、お金を生み出せそうなものもあれば、ほとんど不可能な活動が混在しています。かといって会員から会費を取って成り立たせるのは、全員が同じ目標に向かっているわけではないので本来の目的から外れてしまいます。全員が共通のものを作り上げていきましょうというのではなく、会員それぞれの活動を支援しながら、ネットワークとしても経済的に回すという、難しい立ち回りに取り組むのが、おだわら環境志民ネットワークです。

企業の視点で向かい合う


 環境活動というのは、どうしても時間がかかります。人材の老齢化は目立ち、若い世代との新陳代謝が遅れてしまって、問題意識がある人はどうしても年齢層が高くなり、動きがおそいと、更に年齢層が上がってしまい、最終的には途切れてしまうことも珍しくありません。企業を成り立たせていくには、最初にコンセプトと目標を立てて、そこに予算と人材をくわえて、それに外をお金で取り巻きながら進めていくという考え方で回して成り立たせるのが企業なので、その目線をなにか会員の方に役立たせられないかな、と思います。多くの団体や個人の場合、「いま、そこにあること」に対して「すぐ対処する」という動きをされることがすごく多くて、それはそういうものかもしれませんが、一方で、どういうコンセプトがあって、どう動くべきかを先に決めて、予算と人をつけるというのが企業の目線です。企業はそれがあるからこそ社会的責任も付きますが、なにより長続きします。この2つのバランスを上手く見つめながら、会員の皆さんと一緒に環境へ取り組んでいきたいと思っています。